『ドイツのパン』と『日本のパン』の違い ――なぜ色が黒いの？――

こんにちは☆
日本でも年々少しずつ広まってきているドイツパン。みなさんもデパ地下で期間限定のフェアで見かけることや、地元のパン屋さんがちょっとドイツパンを提供していて、見かけたことがあるはず。

近年ではオクトーバーフェストが日本でも各地で開催されるようになり、日常で少しドイツパンに触れる機会が多くなっていますね。
本格的な黒パンを食べたときに、みなさんもちょっと疑問に感じたはず。

  『ドイツパンって、なんで酸っぱいんだ？』
  『何でこんなに重いんだろう…。』
  『どうやって食べれば良いんだろうか？』

私は日本に居るときからパン屋さん巡りが大好きです🍞本場のドイツでパン職人としてマイスターまで学んだ方のお店のパンを味わったり、東京にあるドイツパン専門店に足を運び食べ比べなどをしていました。もちろん日本で味わったドイツパンも美味しかったのですが、ここ本場では格段に食感も風味を違う！✨

ドイツのパンは主に白小麦の配合が多い日本のパンとは違い、ミネラル分や食物繊維が豊富です。更にライ麦の配合率が高いものは、少量でもお腹を満たしてくれるのでダイエットとしても最適です💖

少しパンについての知識がつけば、是非一度はドイツパンも試したくなりるはず
今回はちょっとした豆知識と共にお伝えしていきます💡

ードイツにあるパンの種類は3200個以上ー

食事パンは主に大型パン・小型パンとカテゴリーに分けられています。
大型パン『Brot ブロート』は重さが250g以上の物を指し、それ以下の物を小型パン『Brötchen / Semmel ブレ―トフェン / ゼンメル  (※地方によって2つの呼び方に分かれる) 』と呼びます。更に地方限定で焼かれているパンの数も含めますと、なんと3200種類以上に及ぶとか👀！

見た目ではパッと明確な違いは判断しにくいパンが多く、主に粉の配合などが異なったり、様々なフィリングによって数え上げられます。例えばライ麦粉50％と白小麦50％のパン、ライ麦粉60％と白小麦40％のパン、ナッツ入りなど。

実際にドイツの様々なパン屋さんに足を運べば、「あれ、似たパンを他のパン屋さんでも見かけたな」と感じると思います。しかしベーカリーごとに製法が異なるため、同じ配合のパンでも食べ比べていくと風味の違いがわかります。

見た目がちょっと似ている様々な種類のパン

‥ちなみに、2014年にドイツのパン文化が《無形文化遺産》に登録されました🍞

‼😄すごい🥳‼

ー酸味を感じられるのは『サワー種』の働きによるものー

 　サワー種の主な原料は？

• ライ麦
• 水

と、シンプルです。材料はこれだけですが、発酵させるのに時間を要します。

この発酵過程により乳酸菌が発生します。その乳酸菌から乳酸と酢酸が生じ、更には二酸化炭素、アルコール、香りが生まれます。

そう、この乳酸と酢酸によりサワー種で焼かれたパンは、あの独特な風味をかもし出しているのです。

サワー種で焼かれたパンは日持ちもよくなります。

なので多くのドイツ人たちは、サワー種で焼かれた味わい深いパンを好んで選ぶことが多いです🍞

－重量があるのは『ライ麦の性質』から－

ライ麦の配合量が多いパンは、クラム (※パンの中身) が詰まっていて固いです。更に100％ライ麦だけで焼かれたパンは、見た目はコンパクトで小さいのに重石のようにずっしりしています。それはライ麦粉の粉の性質により、白小麦粉のようにふんわり焼きあがらないからです。

　 ライ麦粉の特徴

• やや褐色
• 水分を長い時間保持できる
• ミネラル、食物繊維、ビタミンなどを白小麦より多く含む
• グルテニンが入っていない

パンがふっくらと膨らむには、グルテンを形成する必要があります。

それに必要なグルテニンとグリアジンを含んでいる白小麦に対し、ライ麦はグルテニンのみ持っているためパン生地が膨らまず、噛み応えのあるパンに焼きあがるのです🍞

そして黒パンと呼ばれるドイツのパンは、ライ麦の色によって黒くなっているのです。

－おすすめのドイツパンの食べ方－

ドイツは言わずと知れたお肉大国です🍖日本では見かけることが少なくなった、お肉屋さんが街のそこらにあります。青果店やチーズ専門店も見かけることができます🧀

専門店にしかない種類もあるものの、スーパーですとチーズが有名なフランスから直接届いたブリーチーズやカマンベールなど専門店よりスーパーで手軽で安価に購入できます。

日本での鮮魚コーナーのように、スーパー内にチーズ＆お肉専門の売り場が😲！

そこで欲しいグラムを店員さんに伝えれば、少量でも購入することができるのが便利です。但し、50gなど日本人サイズの量を頼むと「これだけ？」ともの凄く嫌な顔をされます(笑)

日本ですと、成城石井など輸入品店でしか買えないあのチーズが普通にスーパーで買えるのが感動ですよね♬

安く試せることもあり、住み始めの頃に私は色々試して苦い経験もしました‥。
チーズの中には熟成度が高く香りが高い (正直言うと臭い❕❕❕) があるので、何故が大好きな納豆と香りが似ていてそのチーズが苦手で食べられなくなった時に、しばらく納豆もダメでした‥💦

ヨーロッパで様々な種類のチーズを試したい方は、是非お友達と分けて少しずつ試してください☆彡

　 酸味の少ないドイツパンには

• ジャム
• ヌテラ (nutella)
• バターやチーズ
• ハム

日本で販売されているドイツパンの多くは日本人の舌の好みに合わせて粉を配合しているため、さほど酸味は多くないです。日本のパンのような食べ方をお勧めします🍞

ちなみにヌテラとは、イタリアからドイツに広まったヘーゼルナッツとチョコのクリームです🍫なんと、日本のスーパーで見かけました(笑)ナッツとチョコの風位が絶材です✨偶然発見した方は、試してみてくださいね！

　酸味の多い本格的なドイツパンには

• バターやチーズ
• ハム 
• 胡瓜やトマトなどスライスした野菜
• 個人的に、日本の卵サラダ
• シチューやトマトスープ、コーンスープのお供に

食べ応えのあるライ麦の含有量が多いパンは、腹持ちもいいのでご飯代わりにもお勧めします🍚ドイツでは日本で言う白ご飯のような存在。酸味が強すぎずに美味しく味わえるよう、薄くスライスし軽くトーストしてスープのお供によく食べられています。

また、食物繊維が多いため腹痛を避けるために水分を多めに摂取して召し上がってください❕

　ちなみにドイツでは‥

レバーペーストを塗ったりソーセージなどとも一緒に好んで食べられます🍖

ボリューム満点で体の大きいドイツ人達のお腹をしっかり満たしてくれます。

おにぎりのように自宅でサンドイッチにして、職場や学校で食べられる方が多いです🍞

そしてドイツ国内のどのスーパーでもドラックストアでも見かける『Brotaufstrich』。

ジャムのように瓶に詰めて販売されていたり、塗るチーズのような容器で販売されています。様々な種類があり、直訳すると『パンに塗るもの』です。トマトとバジル味、ひよこ豆のカレー味など、パンに塗るようにペーストした物です。

変わり種も結構あり、パプリカとカシューナッツ味やレンズマメと茄子味もあります。

野菜をペーストしたもの種類があるので、ヘルシーにパンを頂きたいときにはもってこいですね🍆🥕🍅

－どうやってライ麦粉の配合が高いパンを見分けるの？－

ベーカリーに勤務している方なら見分けるのは簡単ですが、そうでない方はちょっと難しいですよね。

ドイツでは対面式でパンが販売されているので、店員さんに聞きます。

パン生地を麦芽で濃い茶色に仕上げている場合がまれにあるため、色だけでの判断では難しいです。

日本では包装されていたり自分でトングでトレーに乗せるため、持ち上げて重量を確認するといいです。ナッツがたくさん入っていると、付随的に重いのでその場合は店員さんに聞くといいでしょう。

ドイツのパン屋さんの売り場

－ドイツと日本でのパンの保存方法の違い―

ヨーロッパと日本では、パンの保存方法も異なります。

ドイツでは紙袋、日本ではビニール袋での保存を推奨されています。

ふんだんにライ麦粉とサワー種で焼かれたパンは、水分量がかなり多いです。

そのためビニール袋で何日も保存していると、カビが生えてしまいます。さらに、外側のパリっとしたクラストの歯ごたえも失ってします。そういったことを避けるためドイツ人たちはスライスしたパンを除き、紙袋もしくは専用のトートバックの生地のような袋で保管します。

地球環境保護への意識も高いドイツ人。それも考慮して、ビニール袋の使用を嫌がります。

それに対し日本では、少しでもしっとりとした風味が残せるようにビニール袋での保存をお勧めしています。

ちなみに私は、水分量の多いドイツパンでもビニールで保管しています🙈(笑)
しっとり感が少しでも多く残るのと、霧吹きでパンに水分を与え軽くトーストすればパリッとした食感は戻ります。

袋の中でもカビが生えないように研究した結果、一日一回袋からパンを取り出して数分間ビニールとパンの周りの水分を蒸発させればカビが生えてこないです✨

スライスされたパンはビニール袋で、そうでないパンは菓子パンでも紙袋に包装されます

この袋に直接詰めて欲しいと、カウンターで渡されることもあります

上記で説明した通り、健康的なドイツパン。

日常のマンネリとした食生活をちょっと変えるのに、健康にも目を向けて日本以外のパンを試すのもいいですよ🍞🥐🥖♬