🍞ドイツ＆オーストリアの揚げパン【クラプフェン / ベルリナー】～Krapfen Berliner～

こんにちは☆彡

ドイツ＆オーストリアではファッシングのこの時期は、クラプフェンが熱いです🔥

パン屋さんやケーキ屋さんには、ほかのパンとは群を抜き大量の揚げパン・クラプフェンがこれでもか！というくらいショーケースに並べられます👀

さらにスーパーでもよく見かけます💡

一個のサイズが大きいとはいえ、日本の揚げパンと異なり油っこくなく食べやすいクラプフェン🍞

私は、小腹が空いた午後にコーヒーとともに頂いたりします☕

年末年始でも売られますが、ファッシングであるこの時期ですと、中のクリームやジャムの種類が増えて食べ比べするのが一層楽しいです🎵✨

ジャムが定番ですが、個人的にはこの時期ならではのオリジナルティーあふれるクリーム系が種類も豊富に提供されていて、選ぶ楽しみがあるので好きです💛

なぜ、このカーニバルの時期にクラプフェンがよく食べれれるのか、気になっている方もいるはず👀

それは、宗教が関係しているのです。

今回はその話も交えながら、ドイツ＆オーストリア国民に愛される伝統揚げパン・クラプフェンについてちょっとお話したいと思います😃

－目次－

【クラプフェン / ベルリナー】とはどんな食べ物？

クラプフェンは、イーストのパン生地に様々なフィリングを詰めた、主にお祝いの時期によく食べれれる菓子パンです。

日本の揚げパンはカリカリとした食感が出るまで揚げますが、クラプフェンは薄く揚げ色が出るまで両面を軽く揚げます。

粗熱が冷めたら、外側から見て中心のぐるっと白く薄く揚げ上がった生地へ専用の注入器、または絞り袋でジャムやクリームなどのフィリングを詰めます。

仕上げのコーティングは中身により、粉砂糖・グラニュー糖・チョコレート・フォンダンと変えます。

【クラプフェン / ベルリナー】の様々な種類

私が住んでいる南ドイツですと、パン屋さんによっては年中アプリコットジャム入りのクラプフェンを提供しています。しかし専用のフライヤーで揚げるため、手間がかかります。

需要があり製造数が増える年末年始には、それに加え別のジャムやバニラが効いた生クリーム・生チョコクリームが出されます🍫

日本では馴染みがないですが、アプリコットジャムに加え酸味が効いた西洋スモモのジャム・野イバラの実のジャムがドイツでは人気です☆彡

ドイツの方々は、甘いだけでなく酸味が効いたほど良い甘さのお菓子が好きですね😄

ファッシングには、さらに種類が増えます💡

オリジナルの味を提供しているベーカリーやパティスリーがあり、ティラミス味・ピスタチオクリーム味・レモンクリーム味など…さらには、リキュールが入った大人のためのクラプフェンまで！

この時期は、15個以上の種類を提供しているお店もあります👀

こうなると本当に食べ比べが楽しくなります🤭

手前のショーケースはクラプフェンでぎっしり！

【クラプフェン】の歴史

クラプフェンの起源は定かではありません。

一部の文献では、古代ローマ人がケシの実と蜂蜜で仕上げたグロブリー(Globuli)と呼ばれたクラプフェンに似たものを作っていたとか。

その後、12世紀ヨーロッパの修道院では、クラプーン（Craphun）というものが作られていました。

こちらもまだフィリングはなく、形も丸ではありませんでした。

現在の丸い形のクラプフェンと呼ばれるものについては、文献ではさまざまな誕生年が存在し、15世紀～19世紀の間に誕生した言われています。

一説では、17世紀後半にオーストリアのウィーンでこの形が誕生したとか。

当時、宮廷調理人として働いていたツェツィーリエ・クラプフ（Cäcilie Krapf）は、彼女の夫との大喧嘩の際に、怒りのあまり目の前にあったパン生地を彼に投げつけました。

それを避けるために彼が身をかがめたとき、偶然近くにあった温められた油が入った鍋の中へ生地が落ちました。

実際は、彼女は旦那ではなく怠け者の研修生に投げつけたとか。

そして、この偶然にも丸い揚げパンができあがりました。

この揚げパンは、クラプフと言う彼女の名字から名付けられたのです。

クラプフェン誕生の歴史の様々な語りの中では、彼女の名前からチリー・クーゲル（Cillykugel）と記載されています。

しかし別の諸説では、15世紀には既にレシピが存在していたと記録されています。

1815年のウィーンの宮廷会議で、宮廷料理人であったツェツィーリエ・クラプフ（Cäcilie Krapf）が古いレシピをもとに、ジャム入りのクラプフェンの味を広めたとか。

その際には、なんと1000万個ものクラプフェンが提供されました。

様々な呼ぶ名を持つ【クラプフェン】

クラプフェンは地方ごとに呼び名が様々★

南ドイツでは『クラプフェン / Krapfen』、西ドイツでは『ベルリナー / Berliner』

、ベルリンでは『ベルリナー・プファンクーヘン / Berliner Pfannkuchen』、ヘッセンという街ではちょっと小ぶりで売られており『クレッペル / Kräppel』

『バレン / Ballen』と呼ぶ地域もあるとか👀

地域によって名前が異なる

なぜファッシングに【クラプフェン】が食べられるのか？

ヨーロッパでは宗教によるファスティングがあります。

ファッシングの終わりにキリスト教徒の信者たちが、ファスティングを行います。

中世に僧侶と聖職者が、長期の断食に備えファスティング前にパンより油脂が多くカロリーが高いこの揚げパンを、庶民に進めたのが始まりです。

その当時は、まだ呼ぶ名はクラプフェンではありませんでした。

時代が変わり現在は、キリスト信者の方でもファスティングを行わない方が多数です。

それでも、この歴史の中で愛され続けたクラプフェンは現在でも人気が高く、ファッシングの時期に好まれて食べられます😊

自宅でも作りたいという方に、次にクラプフェンのレシピを紹介します☆

【ファッシング・クラプフェン/ベルリナーの作り方】

～材料～

　－イースト生地ー

・軽く温めた牛乳 100ml

・バター 35g

・薄力粉 250g

・砂糖 25g

・バニラシュガー 約4g

・塩 小さじ1/4
・生イースト 21g

・卵 1個半

ーその他ー

・少量の薄力粉 ※成型時に、手がべたつかないように使用
・植物油 ※揚げる用
・お好きなジャムなどのフィリング

 

～作り方～

1. 牛乳、バターを鍋て軽く温めます。小麦粉、砂糖、バニラシュガー、塩をボウルの中でよく混ぜます。生イーストを崩しながらボウルへ入れ、軽く温まった牛乳・バターを入れます。そこに卵の黄身を入れた後、約5分間生地が滑らかになるまで混ぜます。

湿った布をボウルにかぶせ、約30分間生地を寝かせます。

💡ポイント
ちなみに卵の黄身は、揚げているときに生地が油を吸いすぎない役割があるそうです🥚

2. 膨らんだ生地を、軽く粉をまぶした台の上でもう一度こねます。6個に分割し丸い形に成形したら、オーブンシートを敷いたオーブンプレートの上に並べます。濡れた布をかぶせたら、さらに30分ほど生地を発酵させます。

3. 鍋の中に油を注ぎ、温めます。油がはねないように気を付けながら、生地を鍋の中へ入れます。油の温度を少し下げた後、両面ともそれぞれきつね色に揚げ上がるまで、片面とも約3分間揚げます。

揚げ上がったら、キッチンペーパーの上で粗熱を取ります。

💡ポイント

鍋の温度を少し下げるのは、生地の中まで火が通るようにです🔥

3. 絞り袋の中でジャムが固まって出てこなくなるのを防ぐため、ジャムをこし器にかけるか大きい粒を取り除きます。約7㎜の絞り口を使い、横から注入していきます。

粉砂糖やお好みのトッピングで飾りつけしたら、出来上がりです🎵💕

【！！ファッシングに食べるべきおすすめのクラプフェン！！】

ここでは、個人的にファッシングの時期におすすめするクラプフェンを紹介します✨

アプリコットジャム （Aprikosen)・ローズヒップジャム(Hagebutte) は、通年提供しているパン屋さんがあります。

年末年始ではそれに加え、西洋スモモのジャム(Pflaumen)・生クリーム(Sahne)・チョコ生クリーム(Schokosahne)が主に提供されます🍫

ほぼ年に一回のファッシングの時期にしか提供されないもの‥それは、クリーム系＆リキュール系です。

例えば、シャンパン入り・ティラミスクリーム・レモンクリームなど🍷🍋

ちょっとした裏話をお話しすると、基本的に手作りと記載されていないジャム入りのクラプフェンは、ジャムは大手企業から仕入れた既製品なのでどこのお店で食べてもほとんど一緒の味がします‥💦

それに対してクリーム系は、保存がきかないのでお店で手作りしている場合が多いです😋

【ファッシングの時期に行くべきおすすめのお店】

どのお店に立ち寄ればおいしいクラプフェンが食べれるの⁉
と、お店選びに迷っている方もいるはず

最後にドイツ南部・ミュンヘンで、今まで食べ歩きして気に入ったお店を紹介します

生地の状態、種類の豊富さ、フィリングにこだわりのある店などを考慮して選びました。

私がおすすめするお店はこちらです↓↓↓

ケーキもアイスも地元民に人気なお店【チョコラテ】～Bäckerei & Konditorei Chocolatte～

こじんまりとした可愛い店舗

特に焼き菓子や、ペストリーに力を入れているお店。

2店舗あり、それぞれカフェが併設されています☕

その場で美味しいケーキをほっと一息つきながら頂けるのはいいですね💡

ホームページには商品情報が載っていませんので、実際にお店に足を運んで見る必要があります。
私が月曜日の14時に行った時には、3種類のクラプフェンがありました。
お昼前だと、もっと種類がおいてあると思います。

生地は揚げおきせずに、毎日作り立てを提供しているようでふわふわでした♬

クリームがおいしかったです☆彡

他の菓子パンもおいしそう

～店舗情報～

• 営業時間 ： 店舗によって異なるが、土日祝日も両店舗営業
• 住所 ：Bogenhausen Prinzregentenstrasse 111,  81677 München
          ：Haidhausen Wörthstrasse 1, 81667 München
  　　　※アイスはこちらの店舗のみ提供
•  Webサイト ：http://www.chocolatte.website/

スペルト小麦専門店【デューミック】～Dinkel Bäckerei Dümig～

十字路にあるOttoburnn店

こちらはパンもペストリーもケーキも、何においても種類が豊富なお店✨

古代小麦のスペルト小麦を主に原料として扱っており、ケーキにまで使用されています🍰

スペルト小麦は、通常の白小麦より栄養価が高いと評価され、ドイツでは人気です。

スペルト小麦の特徴として、生地が乾きやすいのが難点ですが、独特の風味はくせになるおいしさです

毎年のことながら、今年も20種類以上ものクラプフェンを提供しています👀！！

事前にホームページで、種類を確認できるのがうれしいです★

中心街から離れていますが、店舗は3店舗ありどこも店内飲食可能です。

2021年に訪れた時の品揃え

～店舗情報～

• • 営業時間 ： 店舗によって異なるが、土日祝日も両店舗営業

  • 住所 ：Rosenheimer Landstraße 55, 85521 Ottobrunn
               ※他、2店舗あり

  •  Webサイト ：https://dinkelking.de/

可愛いデコ・クラプフェンあり！【リートマイアー】～riedmair～

生地のフィリングも、毎年凝っているこちらのパン屋さん🍞
チェーン店が10店舗以上あり、比較的立ち寄りやすいです。

生地もふわふわで、美味しかったです✨
イートイン時に、別税で料金上乗せされないのもうれしいですね♬

～店舗情報～

• • 営業時間 ： 店舗によって異なる

  • 住所 ：Leopoldstraße 182, 80804 München
                ※他、複数店舗あり

  • Webサイト ：https://riedmair.de/

ファッシングの時期終了まであとわずか。

みなさんも、年に一回しか楽しめないこの時期をクラプフェンとともに楽しんでみてください🥳🎉♬

クラプフェン食べレポは、順次更新していきます🤗

💻参考資料

Krapfen

Leckeres zu Fasching: Der Krapfen historisch | Kultur | Franken | BR.de

Dialekt: Das sagt es über dich aus, wenn du „Berliner“ sagst - WELT